電話なんか消えて無くなれ。
・電話業務が怖いこと。
元々、電話はそんなに苦手ではなかった。
遡ること10年以上前、新卒で入社した企業。
新規開拓営業部署に配属され、
まず顧客候補リストを見ながらひたすらテレアポをしていた。
断られたり、この個人情報はどこから手に入れたんだと怒鳴られたり、
社会の理不尽さに直面していた。
電話が怖いと思った直接の原因はそこではない。
ある時、ふと視界に私の電話を注意深く観察する先輩が目に入った。
見られている。
私が恐怖を感じたのはそこからだ。
周りの評価を極端に気にする性格の私にとって、
見られていること、怒られることは恐怖の何物でもない。
さらに追い討ちをかけることを別の先輩から言われる。
「関西弁のイントネーションがだめ、直して。」
ショックだった。
この会社は関東の会社で、私は関西出身だった。
関西人であることを活かすどころか否定され、
周りからの評価が良くないことに気付いた私は怖くなった。
電話を見られたくなくなった。
そこで私が取った行動は、会社の会議室を借り、
私用携帯からテレアポを始めた。
効果的面。
何の躊躇もなくスムーズに電話をかけることができた。
これが私の電話スタイルを決定付けてしまった。
見られている環境(オフィスなど)では電話するのが極端に怖くなった。
今でもそうだ。電話を取れと言われても取れない。
手が、体が硬直し、心拍数が爆上がりする。
気になって仕事中心拍数を測るアプリで調べてみたら120あった。
仕事中ずっと120の心拍数の私、その辛さとしんどさを共感してもらえないだろうか。
「〜すればいいだけやん」
それができないのである。
やろうとすれば他人の何十倍もの気力と体力を必要とする。
その分、できた時の達成感は半端ない。
頭ではやらなきゃと思っていても体が言うことを聞かない。そんな感覚。
話は戻り、会議室で電話をするのは上司の注意で続かず、
結局テレアポ業務に極度のストレスがかかり、
うつ病を発症して会社を辞めることになった。
それ以来、自分は電話が苦手なんだという固定観念が植え付けられた。
人と話すのも苦手、電話も苦手。
どうしようもない自分に待ち受けているのは。